よく、デルソルの魅力はトランストップだと言われる事があります。
たしかにトランストップは便利な道具なんですが、そう言う言われかたを
されてしまうと、マニュアルトップの存在が否定されてしまう事になりま
すよね。
元々デルソルは、オープンの開放感とクーペの剛性、快適性を合わせもっ
た車と言うのがコンセプトであるので、トランストップがデルソルの魅力
の全てではないと私は思っています。
簡単に言ってみれば、トランストップは電動サンルーフのような物です。
便利なオープンにする為の機構というだけなので、べつにそんな所にお金
をかけたくないと言う人には、むしろトランストップよりもマニュアルト
ップのほうがお薦めですね。
トランストップの場合だとマニュアルトップに比べて重量的にも50kg
も重くなってしまいますし、なによりもトランク容量が1/2です。
たしかにトランストップは見た目が面白いです。
しかしその面白さも、何度も見ている内に飽きてきてしまいます。
飽きてしまえば、普通の電動ルーフです。
しかし考えてみて下さい。世間では見た目の面白さにばかり気をとられて
しまっていますが、元々トランストップはその電動ルーフという事が一番
の目的なんです。
運転席に座ったままでオープン状態にできる。
汚れてしまっていたり、太陽の熱で熱くなったルーフを直接触らなくても
オープン状態にできる。
1人しかいなくても簡単にオープン状態にできる。
非力な人でも簡単にオープン状態にできる。
つまりは、「簡単に」オープンができる事がトランストップの魅力なんで
すよね。
簡単にオープンに出来ると言う事は、それだけオープンにする回数が増え
ると言う事なんですよ。
デルソルであまりオープンを楽しまないという人であれば、トランストッ
プは無駄な出費と言う事になりかねません。
見た目が面白かったから付けたけど、ほとんど使っていないというのでは
もったいないですもんね。
開けてしまえば、トランストップだろうがマニュアルトップだろうが同じ
ですしね。
さて、トランストップなんですが、これを新品の時に取り付けると約17
万円かかります。
みなさんは17万円という価格を高いとみるでしょうか?
安いとみるでしょうか?
私としては「破格の安さ」だと思ってます。
ホンダはこの価格設定の安さはホンダの凄さでしょう。
ただ実際の所この17万と言う価格設定の安さは、トランストップが17
万円という形では無いんですよね。
正確には、マニュアルトップとトランストップの価格差が17万円という
のが正確な表現のようです。
なぜかと言いますと、マニュアルトップにはかなり専用部品が多いんです
よ。ルーフの材質もアルミ製にする事で軽量化を図ってますし、トランク
形状やルーフ収納部、それにロールバー部の形状も専用部品です。
素人が見てもこれだけの大きな違いがある事を考えると、マニュアルトッ
プもトランストップに負けないぐらいに考えられて作られているだと思い
ます。
実際、マニュアルトップのルーフ開閉はすごく簡単で、馴れてしまえばト
ランストップの半分以下の時間で開閉が可能ですしね。
つまり話をまとめてみると、トランストップは実際にはその17万という
価格よりもはるかに高いコストがかかっているのですが、マニュアルトッ
プの価格を0と考える事ではじき出した数字のマジックだと思います。
トランストップには他にも、駆動部にワイパーやパワーシートのモーター
を使用したり、サンルーフや生産機械の機構や従来の技術を応用する事で
(実際トランストップの開発には本田エンジニアリング(株)や鈴鹿製作
所が協力しているようです)信頼性を向上させたりと言ったような工夫が
されています。
価格を押さえたり信頼性を向上させる為に従来からある部品や技術を利用
し、全長が4m以下というボディサイズに電動ルーフ開閉装置を安価で取
り付け、その上でそれなりのトランクスペースをも確保させてしまったホ
ンダの技術力と新しい事へのあくなきチャレンジ精神には惜しみない拍手
を送りたいものです。
余談ですが、トランストップを見る事はすぐに飽きてしまうかもしれない
ですが、その後にはトランストップを「見せる」事が快感になってきてし
まいます(笑)
そのトランストップの(本来の目的から少し脱線した)快楽を知ってしま
うと、あなたはもう抜け出す事は難しいでしょう(笑)
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